滝川高校

ミッション

メインミッション:回転を抑え、見やすい映像を

スペースプローブの水平方向の回転を抑えるのが目標

サブミッション:落下衝撃からデータを守る

大気センサ(LPS25H)で高度測定。着地直前に記録停止

  • 着地の衝撃で断線等が発生し、データ記録中の中断でのデータ破損を防止したい。
  • 地上3,4m程度でデータ記録を止める。
  • これは、去年成功している。

メインミッション方策

  • 回さない クラスターパラシュート、ストレーキ

岩見沢東高校から、パラシュートを2~3個使用してはどうか、とアドバイスされ今回はそれを使うことにしました。

ストレーキ(尾翼)を付けて回転を抑えたい。ただしパラシュートが付いている状態なので効果は不明だが、ある程度は回転を抑えられるはず、という構想です。

  • 回ったら デジタルスタビライザー

カメラなどでは、ヤジロベエの原理で姿勢を保つがそれだとサイズ大きくなってしまうので、ジャイロセンサを使ったデジタルスタビライザーを自作したい。

回さない01(クラスターパラシュート)

軸を複数することで回りにくくなる。現在は試験的に2個で実践しているが3個,4個の方が回りにくくなるのではないか、とも考えられる。

回さない02(ストレーキ)

モデルロケットなどで一般に利用。空気抵抗を利用して回転を防ぐ。

回ったら(デジタルスタビライザー)

  • 本体の回転方向・角度を検知すると本体と逆方向に同じ角度だけ回転
  • 水平方向の回転を抑えるのに使用する。
  • スペースプローブ本体を2層構造にし、 mbed、ジャイロセンサー等主な部品が入っている1層目と、カメラのみが入っている2層目に分ける。

1層目のセンサーで回転した角度を検出し、1層目と2層目の間に入っているステッピングモータを検出した角度で逆回転させることで、カメラを回転させないようにする

進行状況

40%ぐらい

クラスターパラシュート

  • 素材、形、大きさは暫定。数は現時点では2個。

パラシュート数は増やすかもしれない。

  • 学校祭で使用したあまりの布を回収して使っている。

ストレーキ

未着手

デジタルスタビライザー

  • ステッパ(ステッピングモータ)を動かすことは出来る。
  • 早く動かそうとすると脱調

少しずつ回転を大きくしないと脱調が発生し回らなくなる。その制御がまだ出来ていない。

Space Probe Contest略称の提案

Space Probe Contestは長いので、SPeCはどうか。

やること

  • パラシュート3個で実験
  • ストレーキの仕様策定

フィンの何枚/大きさ/素材など未確定

  • 地磁気センサで指定方向撮影

地磁気センサで機体の向いている方角がわかるので、「視界が開けている南側を撮そう」「山がある北側を撮そう」「滝川の西の方を撮そう」などが出来ると映像の価値が上がるのではないか、と考えている。

困りごと

ステッピングモータ脱調

ゆっくり回す分には問題ないが、少しでも早く回そうとすると止まってしまう。

プログラムの調整をしていくが、その際にステッピングモータに詳しい人に聞くなどして対応したい。

2層をどういう形に?

2層に分けると、落下した衝撃で潰れる、投下した瞬間に分離してしまう等の可能性があるのでどのような形が一番適しているか検討する必要がある

昼の学校は投下実験に適さない

昼間は風が強く、落とすと物に当たりそうになる。実験を風の弱い午前中、夕方にやればよいのだが、(実験しやすい)昼間に出来る方法がないか考え中。

去年の映像紹介

最初に見せるべきだったが去年の映像をお見せする。

(2015年度に撮影した動画を再生)

去年はパラシュート1つだったので、軸は1本だが(動画が)水平方向に回転している。今年は、これより回転しないようにしたい。

参考(ソフトウェアでのブレの補正)

twitterで見つけたが、MakerFaireTokyo2016に出展していた”virtualGimbal”というのがある。映像と同時にジャイロセンサーのデータを保存し、後処理でブレを補正しよう、というもの。

クラスターパラシュートで回らないようにする方策、回った後は2層にしてカメラを回さないようにする方策、また取った映像のブレをvirtualGimbalのようにソフトで処理すると見やすい綺麗な映像が出来るのではないか、と考えている。

コメント、アドバイス

植松

  • これまでの実績が発表できていて良かったです。また新しい便利なものを探す姿勢もすごいと思います。

僕達もロケットをやっていて感じるが、去年は出来なかったことが、今年は出来るようになっていることがわりとあります。特に電子機器の発達は凄まじいので、無理して頑張らなくともとっくに解決されていることがありがちです。

だから僕自身が意識しているのは、電子機器の発達は勝手に起きているので、それを使いこなすことは大事だけども、「そうじゃないもの」に気が付いて身に付けておくと得な気がします。それは「ものを作ったり加工したりする部分」で、色んな技術が発達してもあまり変わらない必要とされる部分なので、そこにリソースを集中していくのもありなのかな、と思ったりします。

  • (機体の)2層構造だが、3層目に潰れてもよい部分を作ると良いかもしれないです。
  • ロシアのパラシュートで、下に紐を垂らしておき、それが地面に接触したら高さが分かり、逆噴射をするようなものもある。なので気圧センサーで精度が低いと思ったら「下にスイッチを垂らす」というやり方もあると思います。
  • 世の中には、色んな苦労を解決しようとしている人がいる。

僕も以前、(回転を止める)研究したことがあるが、ヘリコプターで担架を吊るとプロペラの様に回転し、乗っている人はたまったもんじゃない。その回転を止める技術もレスキューなど人を助ける際に役立つ技術になるかもしれないので、頑張ってやってほしいなと思います。

大塚

ステッピングモータの脱調が問題だということだが、植松電機でもステッピングモータは使っている。

また、植松電機の仕事を手伝ってくれる武藤くんも今回来ており、彼はステッピングモータが得意なので、後で質問してみてください。

高橋

  • 去年の動画を見て、確かに揺れているなと。「回っている成分」と「揺れている成分」があって、どっちを止めたいかというと今回は「回る成分」を止めるんだなと思います。ただ「揺れ」も大きい。さっき紹介していたMFT2016のvirtualGimbalはどちらかというと「揺れ」を止める方なので、うまく組み合わせると良いと思いました。
  • なお色々とテクノロジーはあって、(動画の)「揺れ」は画像処理でも軽減できます。

ただ、それはやりたくないということでvirtualGimbalを作成したと、作者の方は言ってました(直接、MFT2016でお話したので)。なので、揺れを抑える方法は色々とあるということを知っておいて欲しいです。

  • モーターの話は結構難しいが、詳しい人がいるとのことで聞いて欲しいが、使用するモータの種類と、どれだけ電流を流せるかに依ると思います。
  • クラスターパラシュートで実験されているとのことだが、実際にどれ位回転するかは観察されているのでしょうか?

(滝川高校)センサーを入れて計測はしていないが、パラシュートが1個と2個の場合を比較すると、1個の場合20mから落とすと半周から1周位していたものが、2個だと30度ぐらいになるので、わりと(回転が)抑えられているなという感じはしました。

(高橋)そこまで観察されているのであれば、そこも含めて発表できると良いのではないでしょうか。

稲石

滝川高校は参加し始めて今年で3年目ということで、3年間の進化はすごいな、と思いました。

本大会をSPeCと呼ぶかは別として、10/1(スペースプローブコンテスト本戦)に向けがんばって欲しいと思います。