富良野緑峰高校
ミッション
着地座標をどれだけ正確に割り出せるか
ミッション詳細
以下のミッションを1名ずつ担当する。
- 3軸加速度センサやジャイロセンサを用い、機体の軌道を3Dグラフで出力する。
- bluetoothを使ってリアルタイム通信で映像+上記のセンサの値を送る。
- ピエゾ素子を使って着地の瞬間にGPSを動作させる
※探査が目標なので、3つめは優先度は低い。
使用するマイコンボード
- Rasipberry pi model 3
採用理由:色々と高性能なため使い勝手が良い(USBボートが付いている、OSが入っている等)
なぜ、Bluetoothを使用するか
- 他の通信モジュールに比べて省電力で動作する
- 通信速度も1秒間に3MBと充分な速さ
解像度640×480の写真を1秒間に約15枚送信可能で十分速い。
- 一番の点は、最大通信距離が100mでありながら免許や申請が不要である。
計画(処理)の流れ
- 機体がロケットから分離する前に機体とパソコンの通信を開始
- 機体が最高高度に達したら、各センサー/カメラからリアルタイムにデータ送信
今回の目標
- Bluetooth通信を成功させる
- 各センサーで取得したデータを送信、受信する
- Bluetooth通信が失敗した時のために取得したデータはSDカードに保存。バックアップを行う。
難点
- Bluetoothの中でも一番通信範囲の広いClass1を使用するが、最大でも100mなので機体の高度や位置によっては通信が不安定になってしまう。
- Raspberry Pi3を基板に各センサーにとりつけ、常時通信を行うため消費電力が激しいので、電源を選ばなければいけない。
活用できる点
- 今までは、機体が落ちてきてからデータの回収をしていたが、通信可能範囲内に機体があれば回収の必要はなくなる。
- 無線通信を使用する場合、遠隔操作での機体の操作が可能になる。カメラの角度なども変更可能、探査の可能性が広がる
落下中の機体の軌道を3Dグラフでリアルタイムに表示する
目標
- 3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサを用いて、落下中の軌道を3Dグラフで表示する。
- 3Dグラフをリアルタイムで表示する。
計画(処理)の流れ
- 3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサをRaspberry Piで動かし、X,Y,Z平面の軸の座標を3Dグラフで表示する
- 3Dグラフをリアルタイムで表示する
活用法
- 落下中の軌道や傾きなどがわかるのでそのデータを元に調整が行える。
- 落下中の機体に何かあってもすぐわかる。
- 機体が紛失してもすぐにデータを見ることができる。
不安な点
- Raspberry Piを使ったことがない
- 3Dデータをどうやってやろうか
フリーソフトでできないか
- 圧倒的な知識と経験不足
メンバーは現在、高1。高校生になるまで電子工作をやったことがない
ピエゾ素子を使った発電によるGPSを動作させるプロジェクト
- そもそもピエゾ素子をのみでGPSを動作させるのは無理と思っている。
よって、工夫によって実用に向けて少しでも努力すること。
- 使ったエネルギーを少しでも多く回収したいがために発案
- 思いつきで始めてかなり後悔
今回使うピエゾ(圧電)素子の簡単な概要
ピエゾ素子のメリット
地場が発生しないこと
余計な事を考えなくて済むので良い。
圧倒的な薄さ
これによって軽量化、だけではなくスペースの消費を減らせる
機械的接点がないために摩耗や劣化がない
これによって何回も実験できる
ピエゾ素子のデメリット
硬さ
- 硬いが故に脆い。何らかの措置を施さなければ簡単に壊れてしまう可能性が高い。
ただし、今回使用するものは薄いシート状なので、地面に叩きつけなければ大丈夫なはず。
- 温度に関してかなり条件が厳しい。
熱膨張や温度特性、発熱など温度に関してかなり問題が山積みなので冷却や過冷却に気をつけながら温度管理もできたら良いと今のところは考えている
アクチュエータとして使う場合は発熱など大変だが、今回は発電として使用するので影響は少ないと考えているが。何かあったら困るので温度管理もできたらいいと考えている。
現時点で考えていること
- 今回は機体以外の素子などは、自作しない。
去年はモータを自作したが、既成品の方が性能が良かったので。
- 発生した電圧がとても短時間でどこかに消え去るので、電圧を保存する回路を作らねばならないこと。
コンデンサ等で作る予定。
- 今回の機体のサイズと実際の人工衛星のサイズ比を考慮して実用できるのではないかと思ったら成功。サイズを大きくしても実用には至らないと思った時点で失敗。
コメント、アドバイス
植松
プログラムが得意そうな人たちが集まっているのでそうなってしまったのかもしれないが、機体+減速系の話が一つもないので、そこもしっかりやっておいたほうが良い思います。
大塚
今回のミッションで最優先のものは?
(富良野緑峰)ミッションとして「着地座標を正確に割り出す」なので、ピエゾ素子発電以外の2つ(機体の軌跡の3Dグラフ化、Bluetooth通信)です。
どうやって、着地座標を出そうとしているんでしょうか?
(富良野緑峰)最初いる場所を座標0とし、そこからどれだけ移動したか、で求めようとしています。
(大塚)どれだけ移動したかは、何で検出しようとしていますか?
(富良野緑峰)3軸加速度センサとジャイロセンサで求めようとしています。
(大塚)結構難しいと思いますので、頑張ってください。IST(インターステラテクノロジズ)の稲川さんが、6DoF2Map(https://github.com/ina111/6DoF2Map)という便利なソフトをリリースしていますので、それを使うと良いと思います。
(大塚)実際に3Dの軌跡を出したことはありますか?
(富良野緑峰)去年3Dではなく、2Dで出したことはあります。今年はまだ手を付けていません。
(大塚)それっぽく軌跡が出るまでに試行錯誤があると思いますので、頑張ってください。
高橋
Raspberry Piを使うとのことで、バッテリーなど重量が増しそうですが去年も使っていたんですか?
(富良野緑峰)去年はmbedで、今年からRaspberry Piです。
(高橋)ではRaspberry Piにセンサーを接続して動作確認するのはこれからということですね?
(富良野緑峰)IOの確認はしました。LEDチカチカとCdDセル(光センサ)等での動作確認はしましたが、センサー等のデータ通信(I2CやSPI)は手を付けていないです。
(高橋)センサーとの通信は調べればやり方は分かるとは思いますが、mbed等とのデータ通信とは違った方法なので、それなりのチャレンジになると思いました。
linuxなどは、学校のカリキュラムでやるんでしょうか?(Raspberry Piは、OSがlinuxなので)
(富良野緑峰)linuxはありませんが、C言語の授業は若干あります。
(高橋)linuxの使い方等、まだまだやらなければならないことはあるということですね…。結構チャレンジングな内容が多いので、頑張らなければいけないかと思います。
安中
Bluetooth通信は、実際に試してみたことはありますか?
(富良野緑峰) 今はClassが違うものを持っているが、まだ試していないです。
(安中)(通信距離が)最大100mと書いてあるものは、「100m絶対に届く」というわけではないです。どのくらいの距離まで、データ受信が出来るのか、(リモート操作の)コマンドが通るかなどの基礎的な実験は、すぐにやったほうがいいと思います。